本当に友だちが少ない主人公の小説が読みたい人にお勧めしたい乙一

最近この動画が話題なので便乗して

元小説は読んだこと無いけど大変気持ちはわかります。
これは酷いタイトル詐欺です。

真のぼっちラノベを紹介してる方も居ますが、
『僕は友達が少ない』がタイトル詐欺すぎて憤死寸前のあなたにオススメする真の“ぼっち”ラノベ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』 - WINDBIRD
これもまだ救いがありそうですね。
なにより表紙が美少女であると事からして受け付けない。

「もっと暗くて救いのない話が読みたいんだ!」
という人に乙一をお勧めしたい。


はじめの一冊

まずはじめに知っておいて欲しいのは、乙一には「黒乙一」と「白乙一」があるということです。
別に明確に書き分けられているわけではありませんが、黒乙一に分類される作品はグロかったり本当に救いがなかったりします。グロ表現に抵抗があったり心が弱ってる人にはお勧めできません。
逆に白乙一は切なかったりしますが、多少救いがあったりほっこりできたりします。乙一初心者にお勧めですが、人によっては物足りなかったりするでしょう。

乙一面白いよ〜」と言われて『ZOO』とかから読み始めたりする人が居ますがこれは大変危険です。後述しますがデビュー作である『夏と花火と私の死体』もやや危険です。
自分がどちらに向いてるか確かめる為に、まずお勧めしたいのは『GOTH』か『失はれる物語』です。

GOTH 夜の章 (角川文庫)

GOTH 夜の章 (角川文庫)

GOTH 僕の章 (角川文庫)

GOTH 僕の章 (角川文庫)

失はれる物語 (角川文庫)

失はれる物語 (角川文庫)

角川文庫の乙一は背表紙がグレーなだけあって黒と白の中間、灰乙一と言っても良いでしょう。
『GOTH』は割合ラノベ風なので若い方も抵抗なく読めるでしょう。
女の子が出てきますが特にラブコメ的展開にはなりません。薄暗い雰囲気の中、仄暗い話が淡々と進んでいきます。
文章量も大したことないし、オムニバス形式で話が進んでいくのでサクサク読めると思います。
個人的に『GOTH』が乙一小説の中で一番の出来だと思ってます。

もう一つの『失はれる物語』は短篇集なのでこれもサクサク読めます。
個人的におすすめの短編、『しあわせは子猫のかたち』と『手を握る泥棒の物語』が収録されてます。
ここまで読んで、暗い話が苦手てもっと切ない話を読みたい人は白乙一向き、このぐらいの暗さじゃ物足りない、もっと救われない話を読みたいという人は黒乙一向きです。全部つまらないという人は乙一は向いてません。


乙一

乙一向けの人には角川スニーカー文庫から以下の三冊をオススメ

さみしさの周波数 (角川スニーカー文庫)

さみしさの周波数 (角川スニーカー文庫)

きみにしか聞こえない―CALLING YOU (角川スニーカー文庫)

きみにしか聞こえない―CALLING YOU (角川スニーカー文庫)

失踪HOLIDAY (角川スニーカー文庫)

失踪HOLIDAY (角川スニーカー文庫)

スニーカー文庫はどっちかって言うとラノベにカテゴライズされるので、表紙絵と挿絵が付いて若年層向け。
収録作が『失はれる物語』と半分くらい被ってるのが悔しいところですが、ここでしか読めない作品もあるし、挿絵も付いてるので新たな気分で読み直しましょう。


乙一

集英社文庫幻冬舎文庫乙一はざっくり黒乙一にカテゴライズされると思います。
リンクはそれぞれシリーズ一冊目のみ。Amazonのページに飛ぶと関連商品で続刊が出てくると思います。

夏と花火と私の死体 (集英社文庫)

夏と花火と私の死体 (集英社文庫)

死にぞこないの青 (幻冬舎文庫)

死にぞこないの青 (幻冬舎文庫)

『夏と花火と私の死体』は割合ライトな暗さなので、この時点で拒否反応が出た人に黒乙一は勧められません。直ちに服用を中止してください。
『ZOO』は短篇集なので白い話も入ってますが、やはり精神的にきつい話も混じってるので万人向けではありません。
いきなり黒乙一から読み始めて乙一を嫌いになる被害者がこれ以上増えないことを祈るばかりです。