「ぎふのふ」の謎を追え!

岐阜の阜と言う字の部首は「ぎふのふ」である
と言うトリビアを目にしたんですが、気になったのでちょっと調べてみました

「ぎふのふ」でググると確かにいっぱいヒットするし知恵袋の質問でも自信を持って「本当です」との回答がベストアンサーに。
しかし、ちらほらと疑問を呈する意見も目に付きます。

ここのコメント欄とか
http://togetter.com/li/427361

この人は図書館に足を運んで調べても「ぎふのふ」表記は見つけられなかったみたいです
http://sorenari.asablo.jp/blog/2012/10/06/6595086

さらっと「漢和辞典で調べると」なんて書いてるけど、
どの漢和辞典だか言ってみろい!!!!!!

まったくもってその通りです。

ちなみに家にあった漢字辞典を見て見ましたが、

こんな感じでしたし、広辞苑に「おおざと」「こざと」はあっても「ぎふのふ」はありませんでした。

以上をもって、岐阜の阜と言う字の部首は「ぎふのふ」である、はガセ!
と言って良いかもしれませんが、IMEパッドの部首に「ぎふのふ」表記があるのはちょっと気になります。

「こざとへん ぎふのふ」でググるとなんだかそれっぽいサイトも結構引っかかります

http://www.k3.dion.ne.jp/~masatono/every/kanzi/syousai8_9.htm

http://www.csse.monash.edu.au/~jwb/radicalnames.html


その中でもここに興味深い記述が
http://www.kishugiken.co.jp/cn/code07.html

正式な規格ではありませんが、JIS X208の付属文書で部首別の索引が例示されています。
以下はそこにあげられている部首の一覧表です。部首の「読み」はこの文書では指定されていませんので、参考として掲げておきます。

http://ja.wikipedia.org/wiki/JIS_X_0208
JIS X208はパソコンで扱う漢字を定めた規格のようです。
インターネットやパソコン上にある「ぎふのふ」表記の大元はおそらくここでしょう

規格の文章がインターネット上でも閲覧できるようなので調べてみる

http://www.jisc.go.jp/app/JPS/JPSO0020.html
ここで一番上のテキストボックスにX0208と入力して「一覧表示」ボタンをクリック
リストのリンクは一つしかないのでそれをクリック
たくさんあるファイルのうちのX0208_14を表示

このPDFの32ページ目の音・訓による索引の部分に「ぎふのふ」を発見
ただ、これは漢字の読みであって部首の読みでないところに注意
また、この資料の作成者が何を参考にして「ぎふのふ」と書いたのかは不明(おそらく字形を明確にするための走り書き程度じゃないかと)
さらに、前文に「この付属書は規定の一部ではない」とあるようにこれをもって正しい名称とするのは無理があるかと思います。

まとめ

  • 紙ベースの辞書には「ぎふのふ」の表記は見当たらない
  • インターネット上(PCベース)の世界では「ぎふのふ」表記は確かに存在する
  • この表記はJIS規格に端を発してると推測される
  • 詳しい人の情報お待ちしています