ドワンゴはそろそろ『ニコニコ組織票』を作るべき

「一般意志2.0」が橋下市長の“独裁”を止める?―現代思想家、東浩紀インタビュー (1/4)
より

一般意志2.0

「一般意志2.0」は読んでないけど、前々から暖めてたアイディアに近いのでこのタイミングで発表したい

特に重要な部分を引用すると

ポピュリズムの否定は民主主義の否定です。大衆の意志が社会を決めるというのは原則として正しい。だから、ポピュリズム批判は原則としては成立しないと思っている。ただ問題なのは、例えば橋下氏の場合、選挙で民意の付託を受けたのだから、あとは俺が全部やるよ、という図式です。これが独裁と批判されている。しかし、この状態の解決策は、非常に簡単だと僕は思っている。橋下徹氏が常に民意を確認できる、民意を可視化できるようなシステムをつくればいい。

もちろん、中には特殊な信念に基づいて政治家をやっている方もいる。でもそれは少数で、多くの政治家は民意を実現したいと思っている。しかし、現代社会では彼らにも民意は見えない。だから独裁などと言われる。それならば、民意を作る新しい装置をつくればいい。選挙とは別に、常にオンラインで機能していて、行政や立法の場に緩やかな形で介入できる何らかの制度を整える。

それは具体的にはなんだっていいんです。僕は本でニコニコ動画を取り上げましたが、それは一つの例に過ぎない。ただ、情報技術によってサポートされた、世論調査を遥かに超えた、細かい精度をもった民意の可視化システムを整えるというのは、これからの政治、国家にとって、非常に重要なことだと思います。

ここらへんだろう

そろそろ「ネット世論が全然国政に反映されない」と嘆くのをやめて、ネットの側から政治の世界へ積極的にアプローチを掛けるべき
そのためにネットで民衆の意見をまとめて国政とのパイプ役になるシステムが必要だと思う

なぜドワンゴ名指しか

東氏もニコニコ動画ニコニコ生放送あたりを取り上げているが、今の日本のネット社会の企業で一番政治に位置にいるのは生放送に政治家を呼んだりしているニコニコ動画界隈だろう
技術力や資金力も申し分ないし、後述するシステムは既存のシステムを流用して簡単に実装できると思う

実装

基本的にニコニコミュニティのシステムを流用する
http://com.nicovideo.jp/
既存の物をそのまま使ってもいいが、まったくの別物で作っても良い。
流用するなら、『既存のコミュに政治的要素が加わったために内部崩壊』のような事態を避けるため、コミュを組織票システムに利用しないオプションは必須だろう。

このコミュニティ機能を使って、各ユーザーに「自民党コミュ」や「民主党コミュ」、「○○議員応援コミュ」、「TPP導入反対コミュ」なんかを立ち上げてもらう。
コミュニティはもちろん誰にも作れる(権限的な意味だと有料会員限定になるが)。似たようなコミュニティが乱立する事もあるし、グダグダな管理人のコミュニティは内乱などで廃れて淘汰される事になると思う
コミュニティの分類としては

  1. 政党応援・反対
  2. 議員個人への応援・反対
  3. 特定の政策への応援・反対

などが考えられる

各コミュニティでは○○党を支持する・しない、××議員を支持する・しないを表明し、各ユーザーは自分の意見に合致するコミュニティを選んで参加する。一人のユーザーはいくつでもコミュニティに入れる。

コミュニティのレベルシステムも有効活用する
http://help.nicovideo.jp/community/2009/07/post_21.html
基本的にいくらでもアカウントを水増しできる無料会員の意見は反映しない。
有料会員が多いほど信用度が上がる。無料会員お断りもコミュもアリだろう。
有料会員でも支持者を水増しされるかもしれないので、有料会員より信用度の高いクレカ会員を作って別カウントさせるのもひとつの手だろう

各ユーザーは自分が選挙権を持っている地域ブロック(北海道・東北など)と年齢、支持政党と支持議員を表明する。
支持政党と支持議員はそれぞれ複数登録できてもいいが、肝心の選挙期間中は選挙公報に基づいた支持表明になると良い(ここは選挙法が改正されてからの実装になるだろう)
各ユーザーは自分の入っているコミュニティ一覧からどの政党の誰に投票すればよいか、誰に投票すべきではないかがわかりやすくなる。

議員側から見ると、自分の関係するコミュニティをレベル順でソートしてめぼしいコミュニティの意見を公約に盛り込み、支持者確保に使う。
ニコニコのポイントを議員や政党への個人献金に使えても面白いが、ここらへんも法律との兼ね合いが必要か

問題点

現在の公職選挙法だと選挙期間中のネット活動は制限されるため、肝心の選挙期間中にこのシステムも制限を受けることになる。
まずは選挙期間中のネット活動自由化の法案を通すことが目標になるだろう。

  • 未成年の有料会員が年をごまかして支持者を水増し
  • 有料会員アカウント、クレカ会員アカウントを大量に作って支持者水増し

などが考えられるので、
「実際の投票状況と乖離した支持者の水増しは長期的に見ると信用度を下げてかえってマイナスになる」ということを周知徹底させる必要があるだろう

「コミュニティの信用度を下げる目的でアカウントを水増しする」という作戦に出る人間はそう多くないと信じたい
コミュニティの参加人数が十分に多ければ誤差の範囲内になると思うが、問題が表面化した場合はシステム的な対処が必要だろう

まぁ、システム的な対処には限界があるので最終的には
「こんなシステムにムキになっちゃってどうするの。あくまで参考程度。100%完璧なシステムは目指さない。」
というくらいのゆるい感じでお願いしたい

リンクのための追記

一般意志2.0は世論調査にも劣る
http://d.hatena.ne.jp/what_a_dude/20120209/p1
ランダムサンプリングの話とか分布とかバイアスの話が出ててそういう捉え方もあるんだーと感心した。
そこらへんに転がってる意見を抽出して政治に反映するとかは確かに無意味だと思います。
自分は政治なんて個人のエゴのぶつけ合いだと思ってるので、むしろ偏りまくった意見上等。
ネット上にロビー団体を作って「自分たちは票田になるぞ」とアピールできるようなシステム作ったほうが建設的。
公明党に限らず、各政党のバックに宗教団体や圧力団体が付いてる事は公然の秘密なので、それらに対抗できるようなシステムがそろそろネット上に作られるべきなのですよ。